名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦
楽天時代の2013年に前人未到のシーズン24連勝を達成。メジャーでは6年連続2ケタ勝利……。そんなマー君がこんなに苦労するとは、ダレが思ったことだろう。
15日、200勝まで残り1勝としている巨人の田中将大(36)がDeNA戦に先発。6回2失点で降板し、大記録達成はお預けとなった。
田中も、はやプロ19年目。06年ドラフト1位で楽天に入団し、ヤンキースに移籍前年の13年までの7年間で99勝をマーク。200勝達成は確実と思われたが、そんな田中でさえ19年もの時間を要した。いかに200勝達成のハードルが高いかがよくわかる。
この200勝が入会条件となっているプロ野球名球会も近年、「特例枠」が設けられた。条件を満たさなくとも、会員の4分の3以上の賛成で入会できるというものだ。
時代に合わせたものだが、一方で名球会の価値を損なうものと、反対意見を持つ会員も少なくない。
かねて、先発投手が勝利数を稼ぐうえで足かせになっていると指摘されているのが分業制だ。昨今の先発投手は、中6日で6~7イニング、100球を投げればお役御免。セットアッパー、抑えが試合を締める。それで勝ち星がつけばいいが、リリーフが同点、勝ち越しを許して勝利投手の権利を失うケースも多い。
そんな中、日本ハムの新庄剛志監督は21年の就任時から「先発完投」をテーマに掲げた。
「中6日で100球は嫌。中5日ならわかるけど、中6日なら130~140球くらいは投げてほしい」(21年の監督就任会見)
「僕が日本のプロ野球を変えていきたいと言った1つに先発投手は最後までカッコよく投げて試合を終わらせる 昭和の野球をもう一度です」(本人のインスタグラムから)
先発投手に意識改革を求め続けた結果、今季のチーム完投数は12球団断トツの21を数える。リーグ最少は楽天、ロッテの2。それでも、20年前の05年はリーグ最多がロッテの28、最少でもオリックスと日ハムの9。この20年で完投数は激減しているのだ。