最新回の朝ドラ「あんぱん」ウラの見所~担当編集者の“セリフ”にモヤッ…。そしてメイコはまた歌うのだろうか
第25週「「怪傑アンパンマン」#121
【朝ドラのツボ!】
ようやく世に出た絵本『あんぱんまん』は売れないままだった。それでものぶ(今田美桜)は、子どもたちに読み聞かせを続ける。そして雑誌『詩とメルヘン』の創刊から1年、嵩(北村匠海)は他の雑誌の編集長も務め、ますます忙しくなっていた。
そんな中、アンパンマンを『詩とメルヘン』で連載することに。だが、連載された『怪傑アンパンマン』はあまり話題にならなかった。1年後、たくや(大森元貴)が柳井家にやってきて……。
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【本日のツボ】
「二度とああいうものは描かないでください」と言い放つ担当編集者
※※以下、ネタバレあります※※
依然、人気の出ない「あんぱんまん」。なかなか人気が出なかったというのは史実として知られていますが、最初に「あんぱんまん」を文芸誌に掲載したあの女性担当編集者・本間詩織(平井珠生)が、「二度とああいうものは書かないでください」と言い放ったのはどうなのでしょう。
これも史実なら仕方がありません。「見る目のなかった編集者」だったわけですから。
ですが、創作上の都合上ならば、本当は「あんぱんまん」を世に贈り出した立役者なのに、そんなふうに描かれてしまうのはあんまりです。かりに、モデルとなった人やその家族が見ていたら、どんな気持ちになるだろうな、と考えてしまいました。
ドラマとしては、そんなふうに、世間には評価されなかった「あんぱんまん」だけど、のぶのおかげで、徐々に子どもたちに人気が上がっていくということをやりたいのでしょうが、それを強調するために担当編集者をポンコツ扱いするのはいただけません。NHKスペシャルのドラマのように、また、家族からBPOへ訴えが来ないことを祈ります。
あと、「あんぱんまん」だったり「アンパンマン」だったりとひらがなとカタカナが混ざっていてモヤモヤします。
嵩が『詩とメルヘン』用に徹夜して描き上げたものは「アンパンマン」となっていましたね。「あんぱん」というタイトルのドラマなのだから、ほかはどんなにすっ飛ばしても、「アンパンマン」誕生までの創作話はしっかりと見せて欲しいものです。
もうひとつ。のぶがお茶の稽古の後で読み聞かせをしているという話。これも、ずっと「あんぱんまん」を読み聞かせているのでしょうか。幼い子どもが覚えているくらいだからそうなのでしょう。
微笑ましいエピソードのつもりかもしれませんが、見ているこちらは、生徒さんの身になってゾワリです。お茶菓子は毎回、あんぱんで、稽古のあとにはお「あんぱんまん」を読み聞かせされる…。私だったら絶対に習いたくないです。
お教室は盛況のようで、メイコ(原菜乃華)までお手伝いしているとは!? 暇を持て余した主婦メイコ。昔取ったなんとやらで、自分もミュージカルに出たいと歌い出すのではないか、と気が気ではありません。
(桧山珠美/TVコラムニスト)