北朝鮮が衛星発射でも台風で「PAC3」展開できず…地元も呆れた日本防空システムの無意味
北朝鮮の「軍事偵察衛星」発射をめぐる騒ぎが続いている。日米韓などは国連安全保障理事会に緊急会合の開催を要請。2日午後(日本時間3日午前)に開かれたが、代わり映えしなかった。安保理では常任理事国の中国とロシアが北朝鮮の肩を持ち、米国が働きかける議長声明の採択がまとまらないのだ。
もっとも、安保理よりも無意味なのが日本の防衛体制だ。北朝鮮は先月29日、関係国に31日午前0時から6月11日午前0時の間に打ち上げると通告。岸田首相はイキリ立ち、浜田防衛相は即日、沖縄県などに展開する自衛隊に「破壊措置行動命令」を出し、日本の領空や日本周辺の公海、EEZ(排他的経済水域)上空での迎撃を命じた。具体的には、海上のイージス艦から迎え撃つミサイル「SM3」や、地対空誘導弾「PAC3」を与那国島、石垣島、宮古島に展開し、撃ち落とすとしていた。
だが、しかし──。沖縄に接近した台風2号の影響で予告期間初日31日に与那国、石垣、宮古島では即応態勢は取られなかった。Jアラートをガンガン鳴り響かせて、県民の不安を煽り立てたにもかかわらず、だ。そうでなくても、浜田が4月22日に「破壊措置準備命令」を発出し、関連部隊はPAC3配備のためとうに移動していたのだ。