「2030-2040年 医療の真実」熊谷賴佳著

公開日: 更新日:

「2030-2040年 医療の真実」熊谷賴佳著

 戦後、導入された皆保険制度と診療報酬制度によって乳児死亡率は世界最低レベルに、寿命も大きく延びた。その半面、病院は自律的な経営ができなくなり、中小病院はここ十数年で多くが破綻に追い込まれたり、吸収合併されたりしている。

 著者が病院長を務める下町で3代続く中規模病院も一時は破綻寸前に追い込まれたという。

 著者の病院では、認知症高齢者の治療とケアに注力。その経験から、高齢者人口がピークに達する2040年には、適切な医療が受けられない認知症高齢者があふれ返ることが確実だと指摘する。

 医療現場の過酷な現実を紹介しながら、2040年の医療の未来図を予測し、この国の医療と介護をダメにした制度の問題点を明らかにする。

(中央公論新社 1155円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  1. 6

    松本潤&井上真央の"ワイプ共演"が話題…結婚説と破局説が20年燻り続けた背景と後輩カップルたち

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 9

    松本潤「19番目のカルテ」の評価で浮き彫りに…「嵐」解散後のビミョーすぎる立ち位置

  5. 10

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ