日銀アンケートで「1年後の物価も上がる」85%の衝撃…識者も「これ以上の節約は無理」と
庶民の心をつかんだのは給付金より減税、手取りを増やす訴えだった。今回の参議院選挙の結果だ。食料品をはじめあらゆるものが値上がりし、物価高騰で生活負担に苦しむ国民に、与党の2万円給付の訴えは民意を得るには遠く及ばなかった。
「物価高を何とかしてほしい」という生活者の思いは、日銀が3カ月ごとに実施している「生活意識に関するアンケート調査」(第102回2025年6月調査 20歳以上4000人対象)の結果に如実に表れていた。
“今後1年間の支出で特に重視すること”は「今後の物価動向」とする回答が72.5%と最も多く、現在の物価に対する実感は、96.1%が「上がった」と答え、1年前に比べ19.5%上昇したと感じているのだ。
さらに1年後の物価も「上がる」とする回答が85.1%で、現在に比べ12.8%も上昇するとみているのである。
物価の上昇は国民の最大の関心事であり、先行きの生活不安の広がりを示唆することに他なるまい。今回の参院選の結果を予想させる回答が、すでに日銀調査から見えていたといえるのではなかろうか。政府は国民の現実の生活苦を肌で感じているとは思えないのだ。