2024年「春闘」は不発に終わる…賃上げ率が前年を下回り、岸田政権の要請はほぼ実現不可能

公開日: 更新日:

 残念ながら、2024年の春闘は期待外れに終わりそうだ。東京商工リサーチの企業調査によると、賃上げ率は、昨年を下回りそうだという。

 24年度に賃上げを予定している企業は、85.6%と、23年度の賃上げ実施率84.8%を0.8ポイント上回ったが、賃上げ率は「3%」と、23年度の「3.5%」を下回った。連合が24年春闘の方針として掲げる「5%以上」の賃上げも、賃上げ実施企業のうち達成見込みは25.9%と、前年度から10ポイント以上の大幅ダウンだった。

 岸田政権は「前年を上回る賃上げ」を要請しているが、実現はほぼ不可能な状況だ。東京商工リサーチは「賃上げを持続できている企業は少数にとどまることが浮き彫りとなっている」「コストアップが続くなか、前年度以上の賃上げが現実的でない企業も多いとみられる」と解説している。

 しかし、いまでも「実質賃金」は21カ月連続マイナスなのに、春闘が不発に終わったら、庶民の暮らしは苦しくなる一方だ。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。

「賃上げ率3%では、物価高に追いつかないのではないか。23年春闘の賃上げ率は3.5%でしたが、それでも物価高に追いつかず、23年の『実質賃金』は前年比2.5%減だった。実質賃金のマイナスがつづく恐れがあります」

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち