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姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

飛騨高山の宿85軒のうち70軒が市外から…新参入が生む人手不足の連鎖と打撃

公開日: 更新日:

「『古い町並み』と駅前の土地はバブル状態です。坪300万円でも買えなくなりました」

 岐阜県の人気観光地で国内外から集客する高山市を訪れた際に聞いた住民の話には驚かされる。坪300万円といえば、東京都心の水準にも等しい。江戸時代からの歴史ある「古い町並み」は格好の投資先ということか。その住民は「高山市街地は今“お宿バブル”真っただ中です」と打ち明ける。

 市街地の宿泊施設は2016年まで減り続けて82軒になったものの、インバウンド需要を狙った国内外の大手ホテルチェーンが次々に参入した結果、23年には233軒と約3倍に増加した。宿の中には中国資本もあり、高山市内の建設関連業者が「彼らは今、増床に乗り出しています」と語るように、一部の中国資本はこの地への投資を積極的に進めているようだ。

 もとより地元資本の旅館業者の多くは、後継者問題に頭を抱えていた。コロナの直撃、新資本との競争……複合的な要因でその数は減る。「飛騨高山旅館ホテル協同組合」には今年6月時点で、85軒の宿が登録されているが、地元資本の宿はわずか15軒であり、70軒が市外から新たに参入してきたホテルだ。

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