著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

君子危うきに近寄らず…「頂き女子“りりちゃん”」はどこにでもいる?

公開日: 更新日:

「頂き女子“りりちゃん”」を名乗る女性から3800万円余りを受け取ったとして、組織犯罪処罰法違反などの罪に問われているホストクラブの元店員に対し、今月7日、懲役3年、執行猶予5年、罰金80万円と、追徴金1079万円とする判決が下りました。

 この事件からは、改めて「君子危うきに近寄らず」、つまり賢い人は危険なことには近づかないということわざの重要性を感じます。

 この元店員は、自分で詐欺をしたわけではありませんでしたが、“りりちゃん”による詐欺の被害金だと知りながら、そのお金をホストクラブの飲食代として受け取ってしまったため、処罰されることとなりました。たとえ自分が直接詐欺をしていなくても、詐欺で得たお金と知っていながらそれに関わると、刑事罰を受ける可能性があるのです。

 これは組織犯罪処罰法という法律で定められており、犯罪で得たお金と知りながら、受け取ったり使ったりするだけで罪に問われることがあります。

 最近、詐欺の手口はますます巧妙になってきています。「簡単にお金が手に入る」といったおいしい話につられ、SNSで怪しい仕事に応募してしまうと、犯罪の片棒を担がされることがあります。怪しい仕事を自分でしていなくても、相手がそういった犯罪に関わっている場合は、それだけで犯罪の一員と見なされる可能性があるのです。

 インターネットやSNSで簡単にお金を稼げるといった投稿をよく目にしますが、その多くが裏で犯罪につながっていると考えたほうがいいでしょう。友人や知り合いから誘われても、「君子危うきに近寄らず」のことわざを思い出し、怪しい話や怪しい仕事をしていそうな人物には近づかないことが一番です。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発