新卒初任給の引き上げラッシュで給与“逆転”も?中高年社員から漏れる「仕事教えるからおごれ」の複雑心境

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■既存社員のモチベーションが下がる?

 バブル崩壊による景気低迷で新卒採用もままならず、長らく給料が増えない時代を過ごしてきた氷河期世代にとってはうらやましい限りだが、高給新卒を迎え入れる企業の中高年社員も心境は複雑のようだ。

「うちの会社も新卒で30万円超になるが、この金額は以前であれば新卒から10年以上経ってようやく手にした金額。会社は全体の底上げも図りたいというが、それでも、既存社員全員をこの金額水準でアップするのは厳しい。ささやかれているのは、新卒と先輩社員の給与額が逆転することで既存社員のモチベーションが下がり、『新人に仕事を教えるのが馬鹿らしい』『俺よりたくさんもらっているのだから、説明しなくても理解できるでしょ』とならないかということ。『先輩おごってください』から『仕事を教えるからおごれ』になる、なんて冗談も出始めている」(損保社員)

 サラリーマン社会は政界以上に常在戦場だ。

  ◇  ◇  ◇

 企業の人材確保競争が激しくなってきた。●関連記事【もっと読む】で《三井住友銀行「初任給30万円」に引き上げに氷河期世代から恨み節…《実績あげた社員に還元して》の悲痛》、【さらに読む】で《主要100社の6割が2024年春入社の初任給を引き上げ 企業が強く意識するのは離職防止》を取り上げている。

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