著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

トランプ政権が発表「トランスジェンダー医療は薬ではなく心理療法で」に警戒の声

公開日: 更新日:

 トランプ政権がトランスジェンダーへの医療に関するリポートを発表しました。それに対し医学界からは「科学的に著しく不正確で政治的なリポートは、トランス青少年に対する治療基準の転換に利用される恐れがある」と警戒の声が上がっています。

 400ページにおよぶ保健福祉省の報告書は、トランプ大統領が就任直後に発令した「性別は男と女の2つだけ。連邦政府は19歳未満の性別移行を支援してはならない」という大統領令に沿ったものです。中でもトランスジェンダーの若者に対する医療に対しては、二次性徴抑制剤などの薬ではなく心理療法による対応を行うべきとしています。

 しかし専門家は、「この報告は、そもそも性別違和やノンバイナリーなどの性自認が存在しないことを前提にしているばかりか、これまでの治療を“性転換”と誤解させるような書き方をしている」と批判しています。さらに「医療者が最初から、性と意識の一致が望ましいという考え方でアプローチすべきという、有害な意識を正当化している」という声も上がっています。

 報告書では、トランスジェンダーや性自認に疑問を抱いている若者の「多く」が手術や投薬を受けているとしています。しかし実際には過去5年間に薬物治療(二次性徴抑制剤やホルモン剤)を受けたのは1000人に1人以下。手術を受けたのは1年に1200人にとどまっています。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  3. 3

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  4. 4

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  5. 5

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  1. 6

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  2. 7

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  3. 8

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  4. 9

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  5. 10

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩