「ヒト・ヒト感染」が進行するエムポックス症…トランプ・ショックで世界的流行の懸念

公開日: 更新日:

 トランプ米大統領が1月20日の就任初日に海外援助の打ち切り、内容を見直すとする大統領令に署名して1カ月あまり。援助を受けて医療サービスを行う国々の医療関係者はもちろんのこと、先進諸国の感染症対策関係者にも困惑が広がっている。

 多額の援助を受けているアフリカで流行する「エムポックス症」(旧サル痘)のウイルスがヒト・ヒト感染しやすく変異したと確認されたからだ。援助再開がなければ、日本を含め世界中で感染拡大する、との懸念の声が上がっている。性感染症の専門医で「プライベートケアクリニック東京」新宿院の尾上泰彦院長に聞いた。

「この病気はエムポックスウイルスによる急性発疹性感染症です。感染動物に噛まれるなど動物からの感染もありますが、ヒト・ヒト感染では、皮膚などからの浸出液、患者の体液を介した接触感染や飛沫感染などが報告され、家庭内で子供が感染する例も増えています」

 感染すると、発熱、頭痛、リンパ節腫脹などが数日続く。

 発熱後に顔や四肢に発疹が現れ、徐々に隆起して水疱などになる。多くは数週間で治るが、子供や患者の持病などにより、気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を起こす。2022年以降は、発熱やリンパ節腫脹などの前駆症状や発熱後の全身症状がなく会陰部や肛門周辺のみに症状が出るケースも報告されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘