猫のトイレ選びを考える…健康面でベターなのは砂よりシーツ

公開日: 更新日:

 便に砂がかけられると、吸水性のよさで便がすぐに乾燥するため、気づいたときには軟便が普通の便になりやすいほか、脱臭効果で臭いの違いも分かりにくいのです。

 尿も便と同様で、ペットシーツなら消臭効果が弱いので、いつもより強い臭いに気づきやすく、シーツに染みた色の濃さなども目で見て分かりやすい。薄型ならいろいろな病気で尿量が増えたこともチェックできる可能性があります。

「ペットシーツに染みた尿がシャリシャリしているように見えます。持ってきたので、診ていただけませんか?」

 当院で実際にあったケースです。かかりつけの方からペットシーツを受け取って確認すると、確かに粉状の粒子が多数付着。尿検査の結果、その粒子はドライフードやおやつに添加されたミネラル成分の過剰摂取による結石と判明しました。結石を溶かす溶解用フードに変更したら、大事に至らずに済んだのです。尿結石の初期は無症状であることも多く、早期発見でしたが、猫砂でこのようなことは期待できません。

 ペットシーツは臭うがゆえにすぐ交換するため、部屋の雑菌は増殖しにくくなります。逆に猫砂の抗菌効果は開封前がピークで、開封すると時間とともに酸化して劣化。それなのに消臭効果から雑菌が増殖しやすい環境が維持されます。

 猫砂メーカーの努力はすばらしいですが、その努力がネコちゃんの体調を分かりづらくしていることもあるのです。

 (カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  2. 2

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  3. 3

    やす子「ドッキリGP」での言動が物議…“ブチ切れ”対応で露呈してしまった芸人の器量と力量

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    中央学院戦の「1安打完封負け」は全部私の責任です。選手たちにもそう伝えました

  1. 6

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明

  2. 7

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル

  3. 8

    巨人の正捕手争い完全決着へ…「岸田>甲斐」はデータでもハッキリ、阿部監督の起用法に変化も

  4. 9

    ドジャース大谷翔平の突き抜けた不動心 ロバーツ監督の「三振多すぎ」苦言も“完全スルー”

  5. 10

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ