「神経締め」基本の5つ徹底チェック 魚の伝道師・上田勝彦氏が実況中継
エラの血管は切らない。のど元の太い部分を
ぽつぽつアタリがあり、30分で4匹になると、「これは締めよう」と動きが落ち着いた1匹を取り出すと、すぐに締めカギを両目の間の頭蓋骨に刺して即殺してから、カマ骨の膜を切り、ナイフを差し込んだ。
「エラは血管が細く詰まりやすいので傷つけてはいけません。背骨沿いに続くのど元の太い血管を切ったら、常温の海水に戻して心臓の血圧で血を抜くのです。魚の体に残った血は臭みや腐敗の原因になります。心臓が動いているうちに太い血管を切断し、海水で血抜きすることが重要です。心臓が停止すると、十分に血抜きできません」
そう、海水を入れたバケツは2つ用意する。1つは魚を生かすためで、もう1つは血抜き用だ。海水から取り出した魚の即殺から血抜きまでの工程も迅速に。即殺前に暴れる時間があると、そこでも疲労物質がたまって味を損なうという。
上田さんはのど元の太い血管を切ったアジを常温海水のバケツに入れると、再び釣りに戻った。神経締めはまだやらないのか。
「常温海水のバケツで放血させた魚の尾を持ち上げて、口から流れ出る海水が透明になれば、血抜き完了。神経締めをするのは、この状態になってからです」

















