15年通っていた歯医者が廃院していた! 倒産・休廃業は前年の1.5倍…患者はどうしたら?
「ある日突然、自分が通っている地域の病院がなくなる──いま全国でこうした医療危機の現場が広がりつつある」。こう書いたのは、本紙7月7日に掲載した記事だ。ところが、まさか自分がその当事者になろうとは思ってもみなかった。15年も通った東京都新宿区内の歯科医院のことだ。
私事で恐縮だが同様の思いをした方も多いと思う。少し経緯を書いてみたい。久しぶりの治療予約で医院に電話を入れると「ただ今この電話は使われておりません」と思いもかけぬ声が流れてきた。
その日は金曜日だったので休診のはずはないと、かけ直すが再び「ただ今……」。移転したのかとも思いパソコンで同医院を検索した。間違いなく同医院は存在していた。電話番号も医院の外観、診察時間なども以前のまま。これは尋常ではないと、所属する新宿区歯科医師会に連絡を取った。事情を説明すると担当者は少し戸惑った様子で「新宿区の〇〇歯科医院は閉院の届けが出ています」。理由を尋ねると「〇〇先生が数カ月前に亡くなられたということです」。
■倒産・休廃業・解散は過去最多ペース