元アイドルの胡桃沢ひろこさん卵巣腫瘍で左右の卵巣摘出を振り返る

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胡桃沢ひろこさん(元アイドル 日本語講師/52歳)=卵巣腫瘍

 50歳になったタイミングで区の健診を受けたら、「卵巣腫瘍」と診断されました。この病気は症状が出ないらしくて、完全に想定外でした。

 健診を受けたのは近所の病院です。先生が「年齢が年齢ですから、この際いろいろ調べましょう」とおっしゃって血液検査をしたところ、卵巣がんの腫瘍マーカーの数値が通常の上限ギリギリでした。後日、エコー検査をしたところ、右の卵巣がすごく腫れていることが判明したのです。

「もしかしたら摘出した方がいいかも」と大学病院に紹介状まで書いてくださる展開に、「元気ですけど……」と戸惑いましたが、“ご先祖さまのおぼしめしかも”と考えて、後日、某有名大学病院を受診しました。さすがに混んでいて、検査まで2カ月待ちでした。

 人生初のMRI検査を受けた結果は右の卵巣だけでなく左も少し膨らんできているとのこと。先生からは「左右一緒に切除しましょう」と提案され、私が決めかねていると、「左を残しても、いずれまた手術することになります」と言われました。若い人ならホルモン治療で様子をみることがあるけれど、閉経に近づいている年齢ではあまり意味がないというのです。

「では、私が断っても取るんですか?」と聞いたら、「はい、取った方がいいです」と断言されて、2024年8月に左右両方の卵巣摘出手術を受けることになりました。

 でも、無知って最強だなと思いました。何も知らないから、恐怖心も湧きません。入院生活をまるで観光にでも来たかのように新鮮に捉えて、いろいろ初体験しました。

 手術は全身麻酔による腹腔鏡手術でした。お腹に小さな穴を3カ所あけ、そこから機械を入れて卵巣を取り出すというものです。唯一、怖かったのはこのときの麻酔でした。40歳の頃に「下肢静脈瘤」という膝下の血管が浮き出る病気の手術をしたときに、部分麻酔だったにもかかわらず、途中で心臓が破裂しそうになって意識が飛んだ経験があったからです。当時、手術室の外で待っていた母親の話では、看護師が慌てた様子で出入りしていた時間があったそうです。幸い手術中に意識が戻り、血管を焼かれている最中だったのを今も覚えています。

 それ以来、麻酔が怖くなり、今回も麻酔の前は心臓がバクバクでした。でも、肩を叩かれて気づいたら、もう手術が終わっていたんです。ただ、起こされた途端に痛みと苦しみと吐き気に襲われました。体をよじってしまうくらいの痛みなのに、先生方は「なぜかな」と首をかしげるばかり……。その夜は一晩中熱くて苦しくて声も出せませんでした。

 そんなに苦しいのに看護師さんには気づかれずスルーされるんです。それが悔しくて悔しくて、「よし、早く元気になって文句を言ってやろう!」って思ったんですよね。おかげさまでいいモチベーションになりました(笑)。

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