「卵」と「認知症」との関係は? 4万人を15年追跡した研究
卵が脳の健康に良い食品であるのかどうかについては、専門家の間でも議論のあるところです。卵に含まれている脂質の一種である卵黄コリンは、脳の伝達物質であるアセチルコリンの原料となります。また卵のタンパク質にはトリプトファンというアミノ酸が多く含まれ、これは脳内ホルモンであるセロトニンの原料となります。このように卵は脳の健康に不可欠な成分を多く含んでいる食品です。それ以外にもミネラル、ビタミンなど、体の調整機能に重要な成分も豊富に含まれています。
その一方で卵にはコレステロールの含有量が多く、これが動脈硬化のリスクになるので控えた方がよい、という考え方もあります。
今年の栄養学の専門誌に掲載された論文では、アメリカの大規模な疫学データを解析することで、卵を食べることとアルツハイマー病のリスクとの関係を検証しています。対象は4万人近い一般住民で、平均で15年以上という、長期の経過観察が行われています。
解析の結果、卵をほとんど食べない場合と比較して、週に5回以上卵を食べる人は、アルツハイマー病になるリスクが、27%有意に低下していました。1日1個を超える卵を食べていると、動脈硬化の病気のリスクが増加する、という報告はありますから、食べ過ぎには注意が必要ですが、平均して1日1個以内の量であれば、卵を食べることは認知症の予防につながる可能性がありそうです。



















