著者のコラム一覧
坂田冬彦

1962年生まれ、神奈川県出身。役所勤めの後、憧れだった路線バス運転手に。60歳で定年退職。現在大型ショッピングセンターの施設警備員として奮闘中。

(4)最悪上司は「下には威張り散らし、上にはペコペコ」

公開日: 更新日:

■いくらなんでも「バカ!」はないだろう

 だが、車が見えなくなるとガラッと態度を変える。その豹変ぶりには驚く。様子を見ていたまわりの部下に対して「何見てんだよ」とばかりの渋面に変わる。別の日、用事があって事務所を訪ねると「忙しいからあっち行け」といいながら、シッシと犬でも追い払うようなしぐさ。そんな態度や言動が原因で辞めた運転手も何人かいた。もっとも所長のパワハラ的所業は経営陣の知るところとなり、現在、閑職の身らしいが……。

 今の職場も似たようなものだ。私のオフィスともいうべき防災センターで室長を名乗るO氏が似たタイプ。髪の量、色や偏屈そうな人相のため70歳ぐらいに見えるが実際には60歳。実際の年を知ったとき、私より年下なのかとびっくりした。彼もショップの店長や本部の役員に対してはつねにペコペコ。私が入社したての頃、私を“オイ”と呼んだ。なめられたくないからなのだろう。あまりにも失礼である。イベントの準備のためステージや音響機器を設置する際も、次々に口を出す。私たちは作業に慣れているからイラッとする。焦らせるので逆にケガをしたり事故が起きたりするのではないかと思うほどだ。そしてテナント、ショップの店長や施設の本社役員がいると異常にはりきってより威張る。以前、イベントが終わり、放送機器を片付けているとき、横から割り込んできて「おい、何やってんだ、ボリュームのつまみを戻して電源を切らなきゃだめじゃないか、バカ!」「そんなこともできんのか、バカ!」と店長やスタッフがいる中で大きな声で叱ってきた。確かにボリュームを下げずに電源を切ろうとした私に非があるのは認める。だからといってバカ呼ばわりはあんまりだ、しかも周りに聞こえる声量。みんなの前でバカはあんまりである。その場で言い返すのも大人げないので我慢したが……。後で防災センターに戻ったとき、「バカはあんまりですよね」と言ったところ「悪かった」とひと言。だが、謝罪の気持ちはまったく感じられない。上司である彼にとって、警備員は使い捨ての小間使い程度なのだろう。

 そのくせ女性には鼻の下を伸ばしておちゃめなところを見せようとする。そんな姿に余計腹が立つ。不愉快だが、こんなやつのいる職場で仕事をしなければならないのはやはりつらい。

【連載】ショッピングセンター警備員 哀愁の日々

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