<29>官能小説の打ち合わせを延々続けた某誌編集長のその後

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「野性時代」の新人文学賞を受賞した「リリーちゃんとお幸せに」は、漫画原作者で牛ちゃんと呼ばれる牛島が主人公。子供の小児ぜんそくがきっかけで東京の練馬から熱海に戻ってきたという設定だ。20年近く前に同地の洋食屋でコックをしていたこともある。かつてはバンドでベースを弾いていた。

 このあたりは自身の経歴そのままだが、名前が本名の牛込となっていないように、もちろんフィクション。虚実ないまぜで、ストリップ劇場やトルコ風呂(現ソープランド)などに生きる人たちを活写している。ほろ苦くも悲しいが、クスッとせずにはいられない。独特の世界観で描いた傑作だ。

 この頃は官能小説も執筆していたが、閉口させられたこともあったという。

「SM雑誌の一歩手前みたいなエロ小説の雑誌の編集長だったんだけど、これがもう会った時から帰るまで、延々とネタの打ち合わせをするんだよ。何時間も。さすがにゲロが出るぐらい疲れちゃって、『もうよそに飲みに行こうよ』って誘ったら、そこでも続けるんだから、死んじゃうかと思ったね。しかもさあ、中身もすごいんだよ。『次回はツーウエーでいきますか』って言うから、何それって聞いたら『こうですね、アナルとバギナの両方を2人でやるのがツーウエーでして』って、こんな話をずうーっとだからね。『いや?、あなたはホント、好きだよね? 編集をやってるよりも、あなた自身が書いたほうがいいよ』って言ったよ。そしたら本当に作家になっちゃって、すぐに売れたね。あれだけ好きだと、やっぱ違うんだな。俺たちは『たまにはここでもいいかな』ってぐらいの気持ちで書くんだけど、この人は、その世界から一歩も外に出ない。すごいなって思ったもん」

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