“円高→株安”の流れに異変 1ドル=99円で株価なぜ底割らず
円高→株安の流れが、崩れてきている。
18日午前の東京外為市場では、米国の追加利上げが遠のくという見方が広がり、6月24日のEU離脱ショックから2カ月ぶりに1ドル=99円台に。平均株価も一時185円安まで売られたが、午前の終値は31円安まで戻している。午後は輸出関連株を中心に売られ、前日比259円安の1万6486円で引けたとはいえ、EU離脱ショックで1万5000円を割った時とはまるで様子が違う。
「先月の発表時は『期待外れ』と散々コキ下ろされましたが、やはり黒田日銀の追加緩和が効いている。上場投資信託(ETF)の買い入れ額が、これまでの年間3.3兆円から6兆円と、ほぼ倍増ですからね。円高で株価が下がっても、黒田日銀のETF買い入れ期待から、投資家が思惑買いに走って下支えするというパターンになっています。1ドル=99円でも1万6000円を割らないわけです」(外資系証券会社関係者)
もっとも、こんな“いびつ”な状況がいつまでも続くわけがない。
ブルームバーグの集計によると、日銀は今月初旬時点で、日経平均225銘柄の75%で上位10位に入る大株主に。このままETF6兆円買い入れが続けば、来年末までに55銘柄で筆頭株主になる見通しだという。