いすみ鉄道の成功を全国へ 前社長に聞くローカル線活性策

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 人口減少と少子高齢化、逼迫する地方財政、モータリゼーションによって、存続が危ぶまれるローカル線は全国にたくさんある。こうした問題を逆手にとり、独自の戦略で一躍有名になったのが、千葉県にあるいすみ鉄道だ。2009年に、英国航空会社ブリティッシュ・エアウェイズの運航部長から公募で社長に就任した鳥塚亮氏(58)が、いすみ鉄道を牽引してきた。

 そんな鳥塚氏が、今年6月に社長を退任。「おいしいローカル線をつくる会」というNPO法人を発足させ、今度は全国各地の「ローカル線活性化」の手助けをするという。まず、社長を退任した理由を聞いた。

「私が目標としてきたのは、いすみ鉄道を使って地域をどう浮上させるかということでした。これまで地元では『乗らないから、もういらない』でしたが、今では『乗らないけど、必要だよね』に変わってきています。鉄道事業単体では、どんなに頑張っても年間2000万円くらいの赤字が出ます。ただ、総務省の指標に基づき、いすみ市が算出したところによると、いすみ鉄道が地元に及ぼす経済効果は直近3年間で15億円ほどあるそうです。『それくらいの赤字なら、鉄道はあったほうがいいよね』という総意が地元から感じられたので、『だったら、俺の仕事は終わったんじゃないのか』ということで、退任することにしました」

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