隠し財産のことを聞くと決まって嘆き節「すべて家族に…」
最盛期には数百億円のカネと3000人の従業員を思うままに動かしてきた中江滋樹氏。なぜ都心から離れた川べりの安アパートの一室で独り寂しく亡くなったのだろうか?
長らく中江氏を支え、変わらぬ友情を示していたのはパソナの南部靖之氏だった。16年前、中江氏は50歳の時にカナダでビザが切れていることが発覚し、強制送還で実家の滋賀県近江八幡市に愛犬と共に帰ってきた。そして愛犬が原因で近所とひと騒動を起こした。その時に、中江氏が再び東京に出るためにペットと暮らせるマンションを世話してくれたのも南部氏だった。
東京に戻ってきた頃は、パソナの迎賓館である「仁風林」の整理などを頼まれたこともあり、愛犬を連れて通っていた。
10年前、私が最初の取材で中江氏に会ったのもこの頃だった。すでにハンティングベストを愛用し、左右の胸ポケットにそれぞれ携帯を入れ、マウンテンバイクで移動していた。また、「相場禅」という自らのブログも開設し、これからはネットを使ったビジネス展開も考えていると語っていた。