「正月から食欲がなくて」2人だけの新年会で見せた生活苦
中江滋樹氏が2月20日に亡くなった。享年66。自室から出火し、焼死するという本人にとっても不本意な最期だったに違いない。
中江氏と最後に会ったのは、今年の1月16日。出火したアパート近くの料理屋で2人だけの新年会を開いた。食事をとりながら2時間近くを過ごした。彼は、いつもと同じトレーナーの上にハンティングベストをまとっていた。ポケットがいっぱい付いているので携帯や部屋の鍵など小物を入れるのに便利だからと愛用していた。右足が悪く、昨年からは杖に頼らないと歩けないという。
彼は開口一番、「正月から食欲がなくて、何も食べてない」と言った。気が向いたら近所のコンビニの弁当や回転ずしのテークアウトで腹を満たしているという。
「きょう、(新年会で)これだけたくさんの食事をして、元気になれた。まだまだ大丈夫だ」とうれしそうな表情を見せた。
毎日、何をして過ごしているのかと聞くと、「パソコンで株相場だけでなく、金、原油などの商品相場の動きやFXなどをチェックしている。ボクの予想通りに相場が動いている。ボクが今、気になっているのは半導体市場。日本の半導体メーカーは製造から撤退をしているけど、世界的に見たらまだまだ需要がある。現実に半導体市場の指標が上がり続けて面白い動きなので注目している」。