日本でも石炭排除の動き…世界でダイベストメントが活性化
SDGsと投資編(4)
欧米では化石燃料や武器など、環境や社会に害を及ぼす企業からの資金引き揚げが活発化している。ダイベストメント(投資撤退)と呼ばれるもので、株式や債券を売却したり、融資をストップする動きだ。
そんな中、世界最大手の資産運用会社である米ブラックロックのCEOは今年初め、投資先企業に「金融の根本的見直し」と題した年頭書簡を送った。その中で、「サステナビリティー(持続可能性)が投資リターンに与える影響が大きくなるのに伴い、サステナブルを重視した投資が必要になる」とした。運用資産残高6・46兆米ドル(約698兆円)を抱える同社がサステナブル投資にかじを切ったことで、ダイベストメントが大きく進む可能性がある。
とくに日本は、石炭に対する資金支援が多いことが指摘されてきた。NRDC(自然資源防衛協議会)のリポートによると、2007年から15年に日本が行った石炭に対する資金援助は220億ドルに達し、G7の資金援助の52%を占めていた。ドイツが約90億ドル、米国が約40億ドルであることを考えると、いかに多いかがわかる。石炭支援を受けている国は、南アフリカ、インド、フィリピンの順になっている。