「老人ホテル」原田ひ香著

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「老人ホテル」原田ひ香著

 その日の食事にも困っていた24歳の天使(えんじぇる)は、街でかつて働いていたキャバクラが入居していたビルのオーナー・光子を見かけ、後をつける。どうしても彼女に聞きたいことがあったのだ。天使は、光子に接近するため、彼女が暮らすビジネスホテルの清掃員として働き始める。そのホテルには訳ありの老人たちが長期宿泊しており、光子もその一人だった。気難しい光子の部屋の担当は決まっており、天使はなかなか光子に近づけない。

 そんな中、宿泊客の幸子が、天使は以前に定期的に放映されていたドキュメント番組に出演していた大家族の末娘だと気づく。天使には思い出したくない過去だが、元ライターの幸子はしつこく話しかけてくる。

 人生の大逆転をもくろむ天使を主人公に幸せとは何かを問う長編小説。 (光文社 858円)

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