タイガー・ウッズの練習風景に度肝を抜かれつつも、頭の中はサインのことでいっぱいでした
2005年の全英オープンの舞台は「ゴルフの聖地」こと、セントアンドルーズ・オールドコース。初出場の藤田(寛之)さんは通算4アンダー15位で3日目に進むも、強風に苦しみ、2アンダー39位まで順位を落とします。
試合後、ドライビングレンジで周囲に誰もいなくなるまで打っていると、そこにタイガー・ウッズが現れたのです。
「藤田さん、タ、タイガーですよ」
「ホントか!?」
タイガーは僕たちから15メートルほど先でドライバーを打ち出しました。
「ちょっと見ましょうよ」
タイガーに近づき、ほぼ真後ろから見たその弾道に、僕らの目は点になり、同時に「すげーなー」という言葉が。スコットランドだって夕方になれば普通は風はおさまるそうですが、この日は違いました。
藤田さんのボールは何度打っても左からの強い横風に持っていかれたのに、タイガーのボールは無風の中で打っているかのように1ミリも曲がりません。