佐高信
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佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

ベンツやフォルクスワーゲンと「日本製鉄」の違いとは

公開日: 更新日:

 官営八幡製鉄所を起源にもつ日本製鉄は資本主義の枠外で生きてきたようなところがある。新日本製鉄と住友金属が合併して新日鉄住金となり、旧社名の日本製鉄に復帰したが、八幡製鉄に入社して新日鉄のトップになった稲山嘉寛は「ミスターカルテル」と呼ばれ、株主の利益に反すると訴えられても政治献金はやめなかった。「鉄は国家なり」で国と共に、つまり国に依存して歩んできたのである。ならば、国の陰に隠れるのではなく、国とは別に元徴用工訴訟の裁判の判決を受け入れるべきではないか。

 2018年秋、韓国大法院は戦時中の日本製鉄の韓国人徴用工に対してその慰謝料請求権を認める判決を下した。それは「日韓の国家間の合意である請求権協定には含まれていない」からである。

 中国人強制連行、強制労働問題で被害者側の弁護士として鹿島、西松建設、そして三菱マテリアルの和解に関わった内田雅敏は『元徴用工和解への道』(ちくま新書)で、作家の高村薫の次の警告を引く。

「今回の徴用工判決について日本側が鬼の首を取ったように国際法違反だの、断固たる措置だのと口をそろえていることに大きな違和感を覚える」高村は、「戦前の植民地支配を振り返れば、日本は人権が重視されるいまの時代にふさわしい和解の道を探る責務を負っている」とし、「かつて鹿島建設や西松建設にできたことが新日鉄にできないわけでもあるまい」と断じている。

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