小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

世界初レベル3自動運転車 ホンダセンシングエリートは使えるか

公開日: 更新日:

Honda SENSING Elite搭載LEGEND(車両価格:¥11,000,000/税込み)

 先週3月5日、ついに世界初のレベル3自動運転運転付きの市販車が国内で発売された。それは5代目ホンダ・レジェンドの追加モデル「ハイブリッドEX・ホンダセンシングエリート」。先進安全システムの名前はホンダセンシングエリート(Honda SENSING Elite)で、レベル3自動運転と言われる機能は「トラフィック・ジャム・パイロット」である。具体的には時速50km以下でアイズオフ=目を離して運転することが可能。ぶっちゃけスマホを見たり、新聞を読むことができるわけだ。

 実際の出来不出来は試乗するまで分からないが、まず「自動運転で遅れている」といわれた日本で、それもトヨタやスバルではなくホンダが世界初のレベル3市販化にこぎ着けた事実は凄い。開発陣は相当な努力と勇気を必要としたことだろう。

 とはいえ、単純に自動運転の時代が来たとはまだまだ言いきれない。ぶっちゃけ、誰もが無条件に運転中に目を離せるわけではないし、いろんな意味で機能や機会は限定されまくっているからだ。

いろんな意味でまだまだ試用期間

 まず「レベル3」と言われる「条件付き自動運転」という奴がクセ者だ。例え目を離せる自動運転のモードに入っても、条件から外れればすぐさま元通りドライバーが運転しなくてはならない。路面の状態が変わったり、周囲の環境が変われば直ちに人が運転する必要がある。居眠りしたり、酒を飲んだりすることは当然許されてないのだ。

 事実、使えるのは前述通り時速50km以下の渋滞時だけだし、搭載する高精度3D地図データに載っている高速でしか使えない。路面が滑りやすく、周囲が見えにくい雪や雨、逆光が強い天候でも使えないし、道路工事区間もまず無理だろう。

 おそらく一般の人が想像する自動運転の世界はレベル5。つまり一般道だろうが高速だろうがそこら中で目を離したり、運転手が眠っても無事に移動できる状態のこと。いろんな意味でまだまだ試用期間なのである。

日本政府が「レベル3」を法的に認めたことに

 とはいえ、今回凄いのはホンダもさることながら、日本政府がレベル3を法的に認めたことにある。具体的には道路交通法、道路運送車両法の2つで「自動運行装置」が定義づけられ「プログラムにより自動的に自動車を運行させるために必要な…(中略)…主たる構成要素とする装置」と明記されたのだ。この辺りは自動運転先進国といわれたアメリカや一部欧州より先んじた部分であり、今回は日本政府のプライドがバックアップした結果ともいえる。

 今後デカい事故が起きたら状況は変わるし、続々とレジェンドを超える日本車が出てきて「自動」の範囲を広げて行かなければ本当の自動運転先進国にはなれない。なにより今回のレジェンドは税込1100万円でたったの限定100台。そもそもレジェンドは去年200台ちょいしか売れてない極希少車。今回もおそらく関係省庁が買って終わるだろう。

 そういう意味では本当のスタートはここからなのかもしれない。

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