丹羽久 丹羽誠社長<1>29歳の時に転職した外資系で「物の売り方」を学んだ
「丹羽久」は、天然素材を原料にした洗剤や消臭剤などの日用品を取り扱う1880年創業の老舗メーカーである。昨年9月に発売した「マスクのつけ置き除菌洗浄剤」が、コロナ禍での需要にマッチして売り上げは好調だ。
陣頭指揮を執るのが、丹羽誠社長。何代目かと聞くと「実は名字が同じなだけで、血縁関係は全くありません。いつも聞かれて答えると、皆さん驚きます(笑い)」とのこと。
1960年に愛知県で生まれ、高校時代はサッカーで全国大会に出場した。独協大学卒業後は、大手アパレルメーカーに入社する。
「アパレル業界は中間流通がないので、小売店舗まで自分たちで届けなければなりません。だから朝から晩まで働くのは当たり前。しかも、営業は気合と根性という感じでしたので、随分鍛えられましたね」
1989年、29歳の時にイギリス・ロンドンに本拠を置く世界有数の一般消費財メーカー「ユニリーバ」に転職。ステップアップのためだが、当時まだ珍しかった外資系企業への転職は、その後の丹羽の人生を決めた。