ジャパンブルー 真鍋寿男社長<1>「ジーンズストリート」人気スポットの立役者

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 岡山県倉敷市の児島地域にある「ジーンズストリート」は、国内外から年間約30万人(コロナ禍以前)の観光客が訪れるジーンズの聖地だ。

 実は、ほんの十数年前まで、ここはシャッター商店街にすぎなかった。

 児島は昔から学生服やジーンズなどの繊維産業が盛んな地域で、高度経済成長期には紡績工場で働く女性たちを中心に多くの人で賑わっていた。

 しかし、時代の流れで、すっかり寂れてしまう。

 児島のまちづくりプロジェクトのメンバーに選ばれた真鍋は、どうすれば商店街を活性化できるかと頭をひねった。

 真鍋が率いるジャパンブルーはジーンズメーカーとしては後発の部類に入るが、自社ブランド「桃太郎ジーンズ」と「ジャパンブルージーンズ」は瞬く間に日本を代表するジーンズの一角をなすようになった。

 デニム地を仕入れて商品を作るジーンズメーカーが少なくない中にあって、同社では糸の染色やデニム生地の織りから始める一貫体制で商品を仕上げている。

 しかも、風合いを出すために、わざわざ生産効率の悪い旧式織機で生地を織り上げる。このような徹底したこだわりが、多くのファンの心を掴んできた。

逆風状態からのスタート

 真鍋はまちおこしを考えるにあたって、数年で飽きられるようでは元も子もないと思った。よそでは売っていない物を揃えた産業観光的なコンセプトの“通り”にしたい。

 そう考えると、児島は国産ジーンズ発祥の地であり、ジーンズ関連の企業が多く集まる“産地”でもある。それを前面に出せばいいのではないか。

 こうしてひらめいたのが、ジーンズストリート構想だった。

 児島地域を中心にしたデニム関連企業約35社に働きかけたが、真鍋の提案に乗ってくる者はいなかった。

「児島はジーンズを作る場所で、売る場所ではない。ここでは商売にならない」というのが、彼らの見解だった。

 2009年、そんな逆風状態から、ジーンズストリート構想はスタートした。

 真鍋は、商店街を一軒一軒、説得に回った。閉じたシャッターの奥に住んでいた高齢者たちに、「店を貸してください」と頼んでも、「よそ者が来ては困る」と言って、なかなか貸してくれない。

 一方で、誘致のための出店要請も続けた。

「こうして、不動産屋みたいな交渉を毎日のように地道にしていました」

 努力の甲斐あって、オープンにこぎ着ける店が1つ2つと現れ、5店舗くらいになった時のことだった。

「結構売れていますよ」という話を耳にした。

 商売になることが分かると、次から次へと増えていく。今では、デニム関連の店を中心に40店舗が軒を並べるようになった。 =つづく

(ジャーナリスト・林美保子) 

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