伊勢丹に象徴される百貨店の体質…同社は社員を「忠勤者」と呼んで墓までつくっていた
今年の2月の三越恵比寿店の閉店は百貨店の時代が終わったことを象徴的に印象づけた。それはコロナだけのせいではない。呉服屋から出発して、いわばゼイタクを売ってきたが、体質は極めて古い。それは三越も伊勢丹もそうである(※編集部注)。
東京は日暮里の日蓮宗本行寺に「伊勢丹社員之墓」がある。山田直樹の『ルポ企業墓』(イースト・プレス)によれば、1918年造立のこの墓が企業墓では最も古い。隣にほぼ同じサイズの墓があり、そこには「小菅家忠勤者之墓」と刻まれている。創業者が小菅丹治で、代々社長は小菅家から出ていた。しかし、業績不振の責任を問われて、その座を追われ、現在、伊勢丹は小菅家の会社ではない。