無名の染み抜き剤が70万本ヒット!なぜ宣伝費ゼロの広報戦略でも知名度アップできたのか

公開日: 更新日:

下町の洗濯屋の成功の原動力は「好奇心」と「誰もやっていないこと」

 浅川さんは、この新しい取り組みにも地元の力を活用しようとしている。

「大田区のベンチャーフレンドリーというところと連携して、新型洗濯機の製造を町工場主体でやっていこうと思っています。地元の人たちとどこまでできるか、今から楽しみです」

 最後に、もうけびとをめざす人へのアドバイスを聞いた。

「こうしたらどうだろうという好奇心がすべての原動力です。常識にとらわれず、新しいアイデアを追求する。そして、お客さまの声に真摯に耳を傾ける。その姿勢さえあれば、どんな業界でも道は開けると信じています」

 クリーニング店の3代目から、革新的な洗剤メーカーの社長へ。浅川さんの挑戦は、斜陽産業と呼ばれる分野でも、アイデア次第で大きな成功を掴めることを証明した。その姿は、多くの中小企業経営者に希望を与えるに違いない。

(聞き手=いからしひろき)

▽浅川ふみ(あさかわ・ふみ) 1976年生まれ。68年に東京・大井町で創業した「日米クリーニング」の3代目。顧客の声を直接聞く中で、独自の染み抜き剤の開発に着手。2008年に「スポッとる」を発売し、累計70万本以上を売り上げる。現在は販売会社の代表取締役社長として、環境に配慮した洗剤の開発にも取り組む。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」