出生数70万人割れ…少子化に歯止めをかけるカギは「地方の若年女性」が握る 識者が指摘

公開日: 更新日:

「結婚対象となる若年女性が毎年減少し続けているなかで1人の女性が産む子供の数が減り、その結果として人口減少に歯止めがかからないのは当然のことです。特に地方での若年女性の減少は甚だしい」

 内閣府が昨年末に公表した都道府県別の未婚者(20~34歳)の男女比率(女性1に対する男性の数)を見ると、全国平均1.15(東京都1.04)に対し福島県1.35、富山県は1.32倍の差がある。30~34歳では福島県1.65、山形県1.54倍の差だ。内閣府は若年女性の流出が進む東北、北関東、甲信越は未婚男性の比率が高いと指摘する。未婚男女の人口に大きな差があれば、結婚、出産に当然大きく影響してくる。先の山田教授がこう指摘する。

「地方では女性の正社員は少ない。産休・育休は正社員でなければ取れない企業が多く、正社員になれる大都市に女性は流れる。また、地方では雇用体系や賃金の男女格差、女性を差別する保守色の強い地方も多い。結婚相手として収入の高い男性が地方には少ないことも都会に若い女性が流出する背景になっています」

 地方からの若い女性の流出を止める対策は、少子化傾向を反転させる大きな要素になってくる。ひいては東京一極集中を抑えることにつながってくる。

(ジャーナリスト・木野活明)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手