世界で1100万部突破!空前の大ヒット書籍『嫌われる勇気』が人の心をつかんだワケ

公開日: 更新日:

極めて日常的な言葉に「言語化」

『嫌われる勇気』というタイトルの素晴らしい点は、「承認欲求が満たされなくてもいい」というやや専門的な表現を「嫌われる勇気」という、極めて日常的な言葉に「言語化」した点です。「承認欲求」という言葉も、意味は伝わらなくはないですが、日常使いの言葉ではない、やや専門的な言葉のために、人によってはややとっつきにくさがあります。

◼️話し言葉であり、意外な組み合わせ

 しかし「嫌われる」「勇気」といった言葉は、誰もが普段から使う〝話し言葉〟のため、言わんとすることが非常に明確かつ早く伝わるのです。また、普段は「勇気」は、「嫌われる」という言葉と一緒にはあまり使われません。「嫌われる」の後に「勇気」という言葉を続けている点も、「嫌われる勇気」という言葉への印象を強くしています。

 この後、SNSは現在に至るまで発展し続け、『嫌われる勇気』は、発売以来、大ヒットを記録していますが、このような、人間の普遍的な性質を捉えつつ、そのときどきの時代に特徴的に見られるインサイト=人を動かす隠れたホンネを見事につかみ、読者に新しい視点を提供して、多くの人々の心を捉えたとも言えるでしょう。

▽佐藤真木(さとう・まき)
株式会社電通 第3マーケティング局 シニア・マーケティング・ディレクター
慶應義塾大学経済学部卒業。2004年、株式会社電通に入社後、主にマーケティングやブランディング、戦略立案に従事。大手クライアントから官公庁、地方自治体、スタートアップまで、100社以上のキャンペーン設計、広報戦略、新商品開発、新規事業戦略、ビジネスデザイン、企業ブランディング、地域ブランディング、アート思考研修などの企画、実施、ディレクションを行う。共著に『場所のブランド論』(中央経済社)、教育講座の執筆協力に『想像力を武器にする「アート思考」入門』(PHP研究所)がある。

▽阿佐見綾香(あさみ・あやか)
株式会社電通 第4マーケティング局 マーケティング・コンサルタント
埼玉県さいたま市浦和出身。早稲田大学卒業後、2009年、株式会社電通に入社。以来、マーケティング・コンサルタントとして、数多くの企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。担当した業種は化粧品・アパレル・家庭用品・食品・飲料・自動車・レジャー・家電など。大手企業だけでなく、ベンチャー・中小企業も担当するなど、幅広い業種・規模の企業を手掛ける。著書に、累計2万部越えのベストセラーとなった『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)がある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    長尾謙杜は熱愛報道に謝罪も「問題児」扱いで“STARTO社出世レース”からドロップアウト

  2. 2

    佐々木麟太郎をMLBドラフト大改革が直撃…スタンフォード大残留なら契約金大幅減も

  3. 3

    ホラン千秋は都立国際高校→青学大英米文学科と順調に進学も、女優の夢に破れてキャスターで開花

  4. 4

    古賀千景議員の「自衛隊」発言はそんなに的ハズレか? 得したのは“怒ってみせた”進次郎防衛相だけ

  5. 5

    トランプ大統領と高市首相がG7夕食会で「口論」し他国首脳が仲裁に? 仏メディアが報道の驚愕

  1. 6

    いよいよ“詰み”始めた高市首相…中傷動画疑惑めぐる答弁破綻で土俵際、週明け衆参集中審議が見もの

  2. 7

    白石聖は「豊臣兄弟!」代役から7月連ドラヒロインに大抜擢 “ラッキーガール”にかかる期待とリスク

  3. 8

    和久田麻由子アナ成功のカギは、“NHKの鎧”を脱いで個性を出せるかにある

  4. 9

    『ゴールデン・ビートルズ』という謎のLPを棚からひとつかみ

  5. 10

    「24時間テレビ」目玉のチャリティーマラソン走る最有力候補の実名続々!ウッチャンが初の総合司会