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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ヤンキースが直面する大きな岐路…「普通の球団」へと変貌するか、「悪の帝国」に戻るのか

公開日: 更新日:

 1973年にヤンキースを買収したジョージ・スタインブレナーは、FA選手の獲得をはじめとして、資金力を活用した球団の成績の向上に積極的だった。

「ジョージ監督」と揶揄されるほど球場に頻繁に通ったジョージ・スタインブレナーの姿に、一族から買収した海運会社を再建した企業家時代の様子を重ねることは難しくない。

 一方、ジョージから経営を引き継ぎ、現在はヤンキースを保有するヤンキー・グローバル・エンタープライズ(YGE)の会長であるハル・スタインブレナーが置かれた状況は、父とは異なる。

 ジョージにとって、ヤンキースは自分の意のままになる存在であり、いざとなれば売却しても構わないものだった。

 これに対しハルにとってみれば、球団の安定した経営と事業の継続性の確保こそが最も重要である。

 スタインブレナー家が米国プロサッカーMLSのニューヨーク・シティーFCやイタリア・セリエAのACミランの少数株主となっているのは、YGEの経営の多角化の一環にほかならないものの、あくまで本業はヤンキースの経営であることに変わりない。

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