湘南ベルマーレフットサルクラブ 佐藤伸也社長(1)選手とともに地域の社会課題に取り組む
湘南ベルマーレフットサルクラブの場合は、スポーツ領域にとどまらない。
児童養護施設やひとり親家庭の支援、動物保護、ゴミの分別啓発など地域の社会課題の解決に向けて、選手とともに積極的に取り組み、より深く地域と関わろうとしている。
佐藤には、「スポーツクラブは支援されるだけではなく、支援する側にも立つべき」という思いがあるからだ。
フットサルはサッカーよりもフィールドが小さく、初心者でも参加しやすいなどの手軽さから、近年人気が高まっている。
しかし、「見るスポーツ」としてはまだ発展途上にあり、経営基盤強化はたやすいことではない。
「たとえば、広告協賛をもらい、定期的にチケットを送って集客を促すという方法は合理的です。でも、それなら、Jリーグやプロ野球を応援したほうが広告効果はある。フットサルクラブを応援する意義をつくらないと、いつまで経っても、メジャースポーツの縮小版でしかないのです」
自治体やパートナー企業・団体・学校と連携しながら地域の課題に取り組むことで、さまざまなシナジー効果が生まれ、地域の発展にもつながる。そうなることで、同クラブの存在価値も高まり、より多くの人たちに応援してもらえるようになるのではないか。
それは佐藤が考えたマイナースポーツの生き残り戦略だった。 (つづく)
(ジャーナリスト・林美保子)