日銀は「10月利上げ」も市場に見透かされ…歯止めかからぬ“円安傾向”
日銀の野口旭審議委員は29日、札幌市内の講演で「政策金利調整の必要性がこれまで以上に高まりつつある」と発言し、利上げ時期が近いことを示唆したが、すでに市場は「10月利上げ」を織り込み済み。長期金利は今月22日に1.665%と約17年ぶりの高水準を付け、高止まりしている。
日米金利差は縮まっているものの、それでも為替は円安水準にへばりついたままだ。
「名目は縮まっても、日本の実質金利がどんどん下がっているせいで、実質の金利差が縮まっていないからです。日本は消費者物価上昇率が前年比3%を超える中、政策金利が0.5%のまま。実質金利はマイナスです。実質0%の経済成長率にすら見合っておらず、これでは円安に歯止めはかかりません。実質金利マイナスの歪みを正すには、速やかに1~2%利上げする必要があり、0.25%引き上げるかどうかはもはや些末な話です。日銀の植田総裁は『後手に回れば、いずれ大幅利上げを余儀なくされる』との姿勢ですが、すでに後手に回っているのが実情です」(斎藤満氏)
いつまでもインフレ抑制の姿勢を見せない植田日銀は、いつになれば「物価の番人」として本領を発揮するのか。
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