サブカルの聖地=東京・中野北口で相次ぐ再開発 開業60年ブロードウェイ、築53年サンプラザ…関係者に聞いた2大ビルの今後
酒井区長は8月に再整備事業の素案公表へ
再開発が相次ぐ北口で見逃せないのが、中野4丁目新北口駅前地区の再開発で、モメにモメている中野サンプラザを含むエリアだ。1973年に開業した複合施設で2000人規模のホールも備え、「音楽の聖地」とも呼ばれ、国内外のアーティストが公演。老朽化などで建て替えが決まると、2023年7月に行われた最後の公演は山下達郎のコンサートだった。
区の公募で選ばれた野村不動産は24年7月、地上61階、高さ250メートルの高層タワーに建て替え、オフィスや住宅、7000人規模のホールや交流施設を入れる事業認可を申請。総事業費は約2600億円の見込みだったが、建設費がさらに900億円膨らんだため、同年10月に申請を取り下げたことで、再開発計画が宙に浮いた格好だ。
今年6月の区長選でもサンプラザ建て替え問題は大きな争点になり、建て替え推進派の酒井直人区長が3選を果たすと、「8月には再整備事業の素案を示したい。(区民とのタウンミーティングなどで意見を聞き)来年2月を目標に計画案を策定する予定です」と語っている。一体、どうなるのか。
中野区まちづくり推進部中野駅周辺まちづくり課長の近江淳一さんが言う。
「今後の中野サンプラザの建築計画をどう立てるのかということは、区として求める機能や事業化の方針を示した上で、あくまでも民間企業、事業者の知見を生かした形で実現していきたいと思っています。今のところ完成目標を34年度としており、来年度以降、新たな事業者の公募をしていく予定です」
■国際競争力強化で大規模アリーナやMICEを
まずは再整備事業計画の素案に注目だが、酒井区長は再開発の理念に「中野サンプラザのDNAを継承する施設を造る」を掲げる。対して、野村不動産が建て替えを断念する前に提案した修正案は高層タワー1棟から2棟に増やし、住宅割合を当初の4割から6割に引き上げるものだった。
区議会はそんなタワマン化に反発し、ある区議は「6割が住宅になったらDNAが残っているのか、いささか疑問だ」と区長を追及した。
そこで「中野四丁目新北口地区まちづくり方針」を見ると、「国際競争力の強化に貢献する拠点形成」の場所に位置づけられ、誘導する主な都市機能が書かれている。
「大規模アリーナをはじめとする複数の集客交流施設」「競争力の高い大型のフロアプレートを有するオフィス」「新たなにぎわい軸を形成する商業施設」「MICE(ミーティング、インセンティブ、コンベンション、エキシビション/イベントの総称)や観光、交流の拠点となるホテル」……。
そこから読み取れるのは、よりバージョンアップした複合施設の姿だろう。「職住近接を実現する高品質なレジデンス」も掲げられるが、あくまでも一つの機能性。全体の6割を住居とするタワマン化は、方針とズレていたはずだ。


















