不動産大手ヒューリックが業績は順風満帆、収益環境絶好調なのに「教育事業」に参入する狙い
教育は富裕層ビジネス
ヒューリックは、中長期経営計画で「不動産の商社化」~成長分野でのM&Aによるコングロマリット化~を基本戦略に掲げている。
「連結経常利益を2026年の1850億円から、2036年に3000億円へ引き上げる意欲的な目標で、不動産運用、観光、環境・インフラ、高齢者・健康などと並び、こども教育が注力領域として位置づけられている」(同)とされる。
目指すのは、「人口減少でも成長する事業、独自のこども教育経済圏の構築だ」(関係者)という。
参議院調査室の調査によれば、子どもの数は1970年の約3188万人から2017年に約2034万人へと約36%減った。一方で子ども1人当たりの年間教育費はこの間に約16倍へ拡大している。教育ビジネスは成長産業でもある。
布石は打たれている。ヒューリックは2020年9月にリソー教育(個別指導塾「TOMAS」を運営)と資本業務提携を結び、2024年5月にはTOBと第三者割当増資に最大160億円を投じて同社を子会社化した。
これにより、こども教育を含む「その他」セグメントの営業収益は、2025年12月期に約456億円(前期比76.8%増)へ急拡大した。
さらに今年7月末、日本一入りにくい塾とされる「鉄緑会」を運営する「東京教育研」(東京・渋谷)の全株式をベネッセコーポレーションから取得し、完全子会社化した。買収総額は数百億円規模とされる。
鉄緑会は1983年に事業を開始した学習塾で、2026年度入試で東大合格者584人(占有率20%)、最難関の理科三類では57人・占有率59%という圧倒的な実績を持つ。
東京、大阪、京都、兵庫に校舎を展開しており、今後、ヒューリックの不動産ネットワークを活用し、鉄緑会の既存エリアの拡充と新規出店を支援するとしている。
「鉄緑会は坪当たりの収益性が桁外れに高い超優良テナントとなり、ヒューリックの収益安定化に寄与する」(関係者)というわけだ。
教育は、銀行でいう「富裕層ビジネス」に相当する。みずほ銀行副頭取まで上り詰めた西浦氏はその収益率の高さを熟知している。



















