パソナ島に化けた淡路島 4億円かけた小学校まで無償譲渡
淡路島ルポ第2弾
兵庫県・淡路島には、源義経との悲恋で知られる舞の名手・静御前が尼僧になって移り住んだという伝説がある。静御前の扇をイメージして1994年に造られた音楽専用ホール「しづかホール」。ここも今では「パソナホール」になっている。淡路市は12年4月にパソナグループを「指定管理者」に指定。パソナは、市から年間予算2000万円の税金をもらい、ホールを管理・運営している。施設を使う時は、淡路市民は市ではなくパソナに利用料を払わなくてはならない。
ホールの近くを散歩しているお年寄りがこう言った。
「しづかホールは地元では『でんでん虫』って呼ばれて親しまれとるんよ。扇というより丸っこくて、でんでん虫みたいじゃろ。それがいつの間にかパソナの施設になってしまって寂しいよ」
島の人間が「乗っ取られた」と思っているのは、しづかホールだけじゃない。
島の入り口“岩屋港”から車を20分走らせると、淡路島の観光スポット「のじまスコーラ」にたどり着く。4年前に閉校になった野島小学校を改装した複合施設で、イタリアンやバーベキューが楽しめるのだが、この土地も建物も淡路市からパソナに無償譲渡された。