アベノミクスの失政隠しか 「実質賃金指数」公表延期の怪しさ
不都合なデータを隠しているのか――。政府が重要な経済指標の公表を突然、延期したことが波紋を広げている。
延期されたのは、3月31日に厚労省が公表予定だった「毎月勤労統計調査」。労働者の賃金や勤務時間、雇用情勢などの変動の動向を毎月まとめたもので、最近はアベノミクスの成否を測る指標として、賃金から物価の伸びを差し引いた「実質賃金指数」が注目を集めている。
この日は1月確報値と2月速報値などを公表するはずが、トラブルが発生して見送られた。トラブルの中身について、厚労省は「ギャップ修正を行っている過程で不確かな指数が見つかり、統計全体への影響を点検する必要が生じました。点検に時間を要するため、公表は来週にズレる見通しです」(雇用・賃金福祉統計課)と説明する。
■飛び交うさまざまな憶測
政府統計の発表延期は異例中の異例だ。証券会社やシンクタンクはこの時期、新年度の景気見通しを作成している真っ最中だ。景気判断の重要指標の最新版が公表を見送られたことで、アナリストたちは「作業が遅れる」と大弱り。