高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

米軍基地内に今も放置される何百人もの沖縄県民の遺体

公開日:  更新日:

 9月6日付の沖縄2紙に「沖縄戦後、米軍の収容所で3000人超死亡」という共同通信発の記事が出た。本土では「ジャパン・タイムズ」がやや詳しく報じたほかは2~3の地方紙が短く伝えただけだった。

 沖縄戦の日本人戦死者18万8000人のうち半分の9万4000人が戦闘に巻き込まれたり集団自決を強いられたりした一般県民だったことは知られているが、生き延びた推計30万人の県民のほとんどは、米軍が島内16カ所に設けた収容所に押し込められ、劣悪な環境の下、マラリアや飢餓で亡くなる方も少なくなかった。その数は1万人余りだとする研究もあるが、実態はほとんど解明されてこなかった。それで今回、共同通信が県内の全41市町村に取材したところ、何らかの資料を持っていたのは8市村だけで、それを吟味して確実なところ「3026人」と判明したというのである。

 私が思わず身震いしたのは、その約30万人の収容者のうち10万人は、辺野古周辺の3つの収容所に入れられ、そのひとつである「大浦崎収容所」は現在の海兵隊基地キャンプ・シュワブの敷地内にあったという話である。そこでの生活を体験した人たちは「米軍トラックに乗せられて着いた先は収容所とは名ばかりの何もない草地で、テントは2、3日後に届いた。マラリアで毎日のように死者が出た」(84歳男性)、「1日1個だけ配られるおにぎりのために炎天下、長蛇の列に並んだ。小さい子はいつも下痢をしていた」(81歳女性)、「死者数が多すぎて、収容所内の墓地では複数の遺体を1つの穴に埋葬していた」(74歳男性)などと証言している。

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