高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

「分裂と抗争」の時代にこそ現行憲法の基本精神が大事

公開日:  更新日:

 究極の後出しジャンケンである。悲願の改憲に賛同する勢力が衆参両院で3分の2議席を制し、安倍首相は満面の笑みを浮かべていた。再来年9月までの総裁任期中の改憲実現を胸の内に抱いているのは間違いない。

 政権与党はこれまで「開店休業」状態だった憲法審査会で、秋の臨時国会から改憲の議論を活発化させるそうだ。選挙中は、トップが街頭で憲法を語ることをあれだけかたくなに避けていたのに、発議が可能となった途端、改憲の議論を盛り上げたいとは恐れ入る。

 選挙の結果といえば仕方のないことだが、はたして、どれだけの数の有権者が「3分の2」という数字や憲法そのものを意識して投票したのだろうか。与党もメディアも改憲という重大なテーマを参院選の争点から巧妙にそらしてきたから、なおさら不安だ。

 表向きの争点だったアベノミクスも満足に検証されなかった。消費は冷え込み、景気回復の兆しも見えぬままである。だから安倍政権は2度目の増税先送りに追い込まれたというのに、選挙が終われば財政再建はどこ吹く風の大盤振る舞い。10兆円規模の景気対策をブチ上げたが、財源として増発される赤字国債を引き受けるのは日銀である。

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