高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

この国を危うくする 世論を意識したその場しのぎの弥縫策

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 残業時間の上限規制の労使交渉がまとまった。繁忙期に例外として認める残業の上限を巡って対立していたが、最後は安倍首相が経団連と連合のトップを官邸に呼び込んで直談判。仲裁役を買って出た政治パフォーマンスにより、「月100時間未満」で合意した。

 これで上限規制は法制化され、上限を超えた企業には罰則が科せられる。過労死ラインすれすれまで働くことを合法化していいのかという疑問は残るが、事実上、無制限の“残業地獄”が横行していたことを考えれば、この合意はよしとすべきだ。

 ただ、課題は多い。労使が上限をきっちり守り、働き手の残業時間を減らせば、労働力は足りなくなる。特に人手不足が深刻な中小企業からは「仕事が回らなくなる」との悲鳴が聞こえる。

「女性の活躍推進」を打ち出す安倍政権のことだ。長時間労働の是正で生じる人手不足を女性の更なる社会進出で補うつもりだろうが、そのためには育児支援の環境と施設が不可欠だ。しかし、保育士が慢性的に不足している現状では対応しきれない。安倍政権は「待機児童ゼロ」を掲げたものの、現実はまったく追いついていないのだ。

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