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本当に自殺や心中? 見逃される「他殺体」は年間100人も

 先月初旬、妻と2人の子供を殺害したとして逮捕された福岡県警の警察官は、犯行を否認する一方、「妻と不仲だった」と供述している。子供たちの殺害についてはいまだ謎のままだが、県警は事件の発覚当初、「無理心中の可能性がある」と発表していた。司法解剖の結果、妻も殺害されていたことが判明したが、他殺の可能性がありながら「自殺」や「無理心中」として処理されることは珍しくないという。

 警察庁の統計(2013年度)によると、警察に届け出された死体16万9047体(事故や震災死除く)のうち、犯罪死体は514体で、犯罪に巻き込まれた可能性がある変死体は2万339体だった。しかし、司法解剖された死体は8356体にとどまる。怪しくても、すべて解剖できないのが現実だ。

「日本では毎年120万人くらい亡くなっていますが、少なくとも100人程度の他殺は事故や自殺として処理されていると考えられます。変死体の場合は検視官の立ち会いで事件性の有無を確認しますが、解剖医の数が足りなくて手が回らない。司法解剖の予算の面でも厳しい状態です。また、検視官は事件のあった所轄警察からの要請で出動するのですが、第1次捜査を行う警察署員が無理心中と判断すれば、出動することもなく犯罪を見逃してしまうのです」(中国・長沙民政職業技術学院教授の伊藤茂氏=遺体管理学)

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