人間をマシンに…安倍政権「人づくり革命」の露骨な魂胆
新内閣の目玉政策「人づくり革命」。革命的に人を改造するということですから、人を人と思っていない安倍政権の思想が露骨に表れています。
今年3月に出された働き方改革実行計画は、「同一労働同一賃金と長時間労働の是正」「柔軟で多様な働き方」が2つの大きな柱ですが、いずれも非常に問題がある。「同一労働同一賃金と長時間労働の是正」については、労働生産性の向上のためにやると、実行計画に明確に書かれています。労働者の当然の権利としての同一労働同一賃金ではなく、過労死を避けるための長時間労働の是正ではない。「労働者」という名前の機械の生産効率を高めるためにやると明示されています。
「柔軟で多様な働き方」も労働法制によって保護された状態の労働者の数を減らすことが狙い。働きたい時に働きたい場所でやりたい仕事ができると、フリーランスや個人事業主になることを勧めていますが、被雇用者でなくなれば企業はその労働者の健康や働く環境に一切責任を持たなくていい。これを先取りしたのが、問題になっている高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ)で、専門性や時間を切り売りすることにつながっていくでしょう。実はこのことは、はやりの「シェアリングエコノミー」と表裏一体の関係にある。人間を人権が守られている状態から追い出し、“労働マシン”としてこき使うための政策なのです。