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安倍政権は自己保身 民進・前原代表が語る“新たな選択肢”

 幹事長に抜擢しようとした山尾志桜里衆院議員がまさかの不倫疑惑で離党。民進党の新体制はスタートから大きくつまずいた。ただでさえ支持率が1ケタに低迷する中で、国民の信頼を回復するのは至難の業だが、民進党の前原誠司代表を直撃すると、これ以上ない“ドン底”に吹っ切れた様子。28日に召集される臨時国会で冒頭解散の可能性が高まっているが、「安倍政権とは違う社会像」を国民に提示したい、とファイティングポーズを見せた。

 ――代表就任直後からいろいろありました。

 そうですね。人事の中核に決めていた人が週刊誌に取り上げられて、離党までされるということもありましたし、激動でした。

 ――率直なご感想は?

 残念ですね。山尾さんは嘱望されて岡田さん(元代表)の時に政調会長までやって、若手のホープでした。また女性議員が少ない中、国会でも際立った人材でしたので、残念の一言です。

 ――党内のバラバラ感も改めて露呈しました。

 代表は決めたことに説明責任を果たすので、いろいろ意見があっても最後はまとまっていく、という党にしていきたい。自民党はいい意味でも、悪い意味でも、ヌエのようで懐が深く、最後は何だかんだ言ってまとまる。こういうところは見習いたい。まあ、私が一番懐深くみんなを包み込まないといけないので、異論は聞くと。だけど、最後は決めたことについては従って欲しい。

 ――新体制になって、山尾さん以外に離党者が3人出ました。「大島幹事長の慰留工作も不発」などと報じられましたが。

 逆ですね。大島さんにヒアリングをお願いしたのは、白黒つけるためでした。反転攻勢しないといけないので、受け身の姿勢は早く終わらせたいというのが執行部の考え方。代表選の前に離党した人は「新体制の後では迷惑をかける」と言って、早めに出ていったわけです。新体制後に出ていくのは極めて不誠実だと思います。後足で泥をかけるような話ですから。

 ――来週28日から臨時国会ですが、安倍首相は冒頭解散を検討しています。

 北朝鮮が核実験やミサイル発射を行う状況の中で、本気で政治空白をつくるつもりなのかと極めて驚きを禁じ得ません。「森友・加計問題」は国民がまだまだわだかまりを持っているテーマ。国会での追及から逃げるため、国民の生命・財産そっちのけで、「自己保身解散」に走っているとしか言えません。我々は「オール・フォー・オール」の社会像を目指します。一方、安倍政権はいわゆる「残業代ゼロ法案」「過労死促進法案」に見られるように、企業の利益や経済の成長のために人をないがしろにする。国民の幸福を求めるのが政治の役割です。安倍政権と我々は目指す社会像が違うんだということを国民に提示していきたい。

インタビュー動画①

パクリの争点隠しも打ち上げ花火だ

 ――安倍政権とは違う社会像とは、もう少し具体的にどんなものですか?

「GDP600兆円」などアベノミクスはとにかく経済成長。しかし企業は儲かりましたが、労働分配率は下がって、個人の生活は苦しくなっている。我々は、国民の不安を解消します。お年寄りの不安がなくなれば、過剰な貯蓄はいらなくなり、消費に回る。非正規雇用が4割で給料の少ない若者も、「結婚するなら住宅手当をバックアップしましょう」「0~5歳の就学前教育を無償化しましょう」などと国が面倒を見てくれるのであれば、消費に使うでしょう。個人の不安を解消して、それが社会の好循環を生むという、安倍政権とは違う形での経済成長です。その違いを国民にどう見せていくのかが大事なのだと思います。

 ――国が面倒を見るには財源が必要です。財源論から逃げませんと言っていました。

 財源については、税のベストミックスをこれから検討するということで何も決まっていません。ただ、2019年10月に消費税をあと2%上げることが法律で決まっている。で、私のひとつの反省は、旧民主党政権の時に「社会保障と税の一体改革」で2段階に分けて消費税を5%上げることを決めましたが、5%のうち、借金の返済が4%で社会保障の機能充実がたった1%だったことです。しかも高齢者の貧困対策が主でしたので、一般の方々に何の受益感もないようなパッケージにしてしまった。国民には増税感だけが残る。それは税に対する嫌悪感ですから、これは間違ってたなと。ですから、新たに上がる2%については、例えば教育の無償化とか、介護人材の待遇改善などの財源にして、「消費税が上がったらこんなに良いことがあるんだ」という成功体験を得られるような中身に組み替える。そうして国民に理解してもらう。今後の検討課題のひとつだと思っています。

 ――その消費税の増税分について、安倍自民党が選挙を睨んで「教育無償化に充てる」と言い出しました。またパクってきましたね。

 社会の現状を本当に理解したうえでやろうとしているのか、単に野党第1党の党首の考え方とかぶせて争点隠しをしているのか、しっかり精査したい。いつも言葉だけなんです。例えば、「同一労働同一賃金」「最低賃金」。それから「1億総活躍」「地方創生」「女性活躍」。全部いわゆる打ち上げ花火です。本当に実を結んだかというと、そうではないですよね。今回もかぶせてきているのかもしれませんが、本質の違いというものをしっかりとただしていきたい。

■野党がバラバラでは敵を敵を利するだけ

 ――選挙での野党共闘はどうしますか?

 解散・総選挙は政権選択の選挙ですよね。オール・フォー・オールの社会像を示す。それと同時に、外交安全保障については、私は現実路線でいきたい。北朝鮮がこんな状況ですから、外交安全保障政策にそんなに選択肢はありません。そうなると、自衛隊は専守防衛ですから、北朝鮮への抑止力、あるいは万が一の時の打撃力は日米同盟に基づき米国に頼っているわけです。野党の中には「自衛隊は違憲」「日米安保も違憲」と言ってる人たちがいますよね。それから、オール・フォー・オールを実現するために、消費増税ありきではないですが、消費税というのは大事な基幹税だと私は思っています。しかし、野党の中には消費税に反対しているところもあります。ですからそこを横に置いて、とにかく安倍政権打倒だけで一緒にやりましょうっていうのは、私は国民の理解が得られないと思います。

 ――共産党とは「合わないので、一緒にできません」となるのか。

 小選挙区ですから、1対1に持ち込めるのが一番いいわけですよ。野党がバラバラだと、敵を利するだけですから。そこをどう判断するかということは、当然ながら併せて考えなければいけないと思います。

■共産党とは「政策」で協力の余地はある

 ――昨年、前原さんにインタビューした際、共産党については「政権は一緒にやれないけれど、協力できる政策では一緒にやる。そういうことはあるかもしれない」「敵の敵は味方だから、協力して自公政権を倒す。そういうことなら国民は理解する」と言っていた。あの考え方は変わったのですか?

 基本的には変わっていません。「政策」ですね。つまり、政権を一緒に担うことはできないわけですよ。けれども、例えば、共産党さんが安倍政権を打倒するために、この政策で、この選挙区は協力しませんかという話が、仮にあるとすれば協力の余地は当然ある。新潟の知事選挙は、我々は米山さん(現知事)を最終的に支援して、私も上越市まで応援に行きましたけれども、あれは柏崎刈羽の原発再稼働についてイエスかノーかというシングルイシューだった。部分的な協力ができるかどうかは、地域の自主性を考慮したいと思います。

 ――野党というと、小池新党(若狭・細野新党)については?

 何を国政で目指されるのか全く分からないじゃないですか。今は小池さんの人気に便乗しようという、そういう雰囲気しか感じられません。

 ――野党再編は?

 少なくとも自由党さんについては、私のオール・フォー・オールの考え方は理解していただいていますし、小沢先生はもともと自民党におられた方ですから、外交安全保障政策も現実路線だと思いますので、ほぼ違和感はありません。あとの政党がどうご判断されるかということですね。国民のためにもうひとつ選択肢を示すというのが私が代表になった歴史的な使命です。殴られても殴られてもファイティングポーズは崩さずに、新たな選択肢を示していく。それだけですね。

インタビュー動画②

(聞き手=本紙・小塚かおる)

▽まえはら・せいじ 1962年京都市生まれ。京大法卒。松下政経塾(8期生)。京都府議を経て、93年衆院選で日本新党から出馬し初当選。05年民主党代表。09年からの民主党政権では、国交相、外相などを務めた。京都2区選出。当選8回。

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