勝敗のカギを握る東京&大阪 総選挙「序盤情勢」徹底検証
東京25選挙区
投開票日まで1週間。主要メディアの情勢調査では「自民が単独過半数を大きく上回る勢い」「自公で300議席超」と早くも与党の圧勝ムードだが、勝敗のカギを握るのが大都市圏だ。選挙区が多い大票田のうえ、有権者は無党派層が大部分を占める。つまり、無党派層が動けば、選挙結果は大きく変わってくるのだ。東京・大阪の序盤情勢を検証してみた。
■長妻当確、海江田が当落線上
都議選を大勝に導いた小池都知事の人気は陰りどころか、地に落ちている。小池率いる希望の党は、お膝元の東京で惨敗が濃厚だ。序盤の情勢調査などによると、約1130万人の有権者を抱える東京の25選挙区は自公候補が22勝の見通し。希望候補で見込みがありそうなのは、早々に民進党を離れた松原仁、長島昭久の2人しかいない。ヒドイありさまだ。
政治評論家の野上忠興氏は言う。
「自民党は22選挙区を取って圧勝した14年選挙と変わらない勢いです。都知事選、都議選の余勢を駆って、小池都知事が希望の党を立ち上げ、民進党の前原代表と事実上の合流を協議し、連合の支援を取り付けたところまではよかった。
ところが、排除の論理を持ち出し、民進党を分断させて世論の反発を招いた。希望の党と立憲民主党の候補乱立を招き、自民党をアシストしている格好です。前回の選挙結果を分析すると、東京の小選挙区の当選ラインは約10万7000票。ポッと出の候補が集められる票数ではありません」
希望候補の陣営は軒並みお通夜状態で、「選挙区はダメだ、比例もダメかもしれない」と肩を落とす前職もいる。
自民は都議選の雪辱で燃えたぎっている。内閣支持率が反落し、不支持が支持を上回る安倍首相は露出させず、客寄せパンダの小泉進次郎を集中投入。「東京は安倍首相ではなく、進次郎で勝ちにいく」(自民党関係者)戦略だ。
立憲民主は海江田万里、落合貴之、菅直人、末松義規の4人が残り1週間の戦いぶり、投票率次第で逆転する可能性がある。