中国包囲失敗し…ロシアまで怒らせる安倍外交の支離滅裂
首相として初のバルト3国と東欧3カ国を歴訪している安倍首相。北の脅威を訴えることが各国訪問の目的だが、隠れたもうひとつの狙いは、相変わらずの中国包囲網だという。しかし、中国包囲網は完全に失敗。しかも、ロシアまで激怒させている。一体、何をしに遠くまで出かけていったのか。
■国益を損なう欧州6カ国訪問
安倍首相の6カ国訪問の狙いが、中国包囲網にあるのはミエミエだ。外務省関係者がこう言う。
「習近平政権が推進する一帯一路構想の『一帯』とは、中国―中央アジア―欧州を結ぶシルクロード経済帯です。今回、安倍首相が訪ねるバルト3国と東欧3カ国は、ちょうど欧州への入り口の国々。すでに中国は、この6カ国と経済的な関係強化を進めています。安倍首相の訪問が中国を意識したものなのは間違いありません。実際、安倍首相は各首脳と法の支配を含む基本的価値観の確認をし、中国を牽制しています。しかし各国は、ほとんど反応していません。彼らにとっても中国は大事な国ですからね」
政権が発足して5年。安倍首相は「地球儀を俯瞰する外交」と称して中国包囲網の構築に執着してきた。だが、まったく実を結んでいない。それどころか、世界各国はどんどん中国に近づいている。