高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

国民の「安心・安全」を本気で守るなら改憲より防災が先

公開日: 更新日:

 まさに災害列島だ。7月に広島、岡山、愛媛など15府県で200人超が犠牲となった西日本豪雨に続き、9月に入ると、台風21号が関西を直撃し、広範囲で水浸しとなった。最大震度7の強い揺れが北海道を襲い、ほぼ全域停電の「ブラックアウト」が起きた。

 昔から日本は自然災害の多い国とはいえ、今夏に次々襲ってきた大災害は、いずれも記録的な規模だ。過去に例のない大災害が相次いでいるのは、地球規模の温暖化と無縁ではない。

 近年は世界各地で記録的な猛暑が続き、洪水やハリケーンの被害が深刻化している。ポルトガル出身のグテレス国連事務総長は、来年9月に「気候サミット」の開催を表明。2020年に始まる温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」の加盟各国の首脳に参加を呼びかけた。気候変動の暴走を食い止めるため、世界レベルで真剣に考える時代となっているのだ。

 当然、この国も自然災害の深刻化への対処が喫緊の課題だ。安倍政権は「国民の命と平和な暮らしを守る」を重要課題に掲げているが、災害対策は常に後手、後手。事が起きてから、現地を見舞い、話を聞いて、自治体を支援するという繰り返し。これでは厳しい気候変動の時代は生き抜けない。

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