デービッド・アトキンソン
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デービッド・アトキンソン

1965年、英国生まれ。オックスフォード大学卒。小西美術工藝社社長。ゴールドマン・サックス時代、日本の銀行の不良債権の実態を暴いて注目される。新著「日本人の勝算」(東洋経済新報社)を出版。

人材評価は世界4位も生産性は28位…経営者の使い方が悪い

公開日: 更新日:

「イギリスは現在、7・83ポンド(約1100円)まで最低賃金を引き上げていますが、それでも会社は回っています。ところが、日本では学者も経営者も『1000円にすら引き上げられません』(全国平均874円)と言う。賃金が上がらなければ経済は成長しませんので、経営者がそういうことが分からないのであれば、国が強制すればいいのです。最低賃金で働く人は主婦パートが多いので、彼女たちを例に取りますが、熊本県などでは最低賃金が762円です。この金額だと、『これコピーして』『お茶入れて』という扱いになります。仮にその人が時給3000円なら、そんな無駄な仕事をさせている場合じゃなくなるでしょう。会議がダラダラと長くなれば、経営者としても『早く結論を出せ!』となります」

 アトキンソン氏が経営する会社では、社員が毎年、昇給している。

「会社の売上高を上げる目的は、社員の昇給費用を捻出するため。そのため決算時に人件費の増加分を計算し、事業バランスや人の配置に頭を悩まします。職人たちの会社ですから、給料が高いのなら親方(管理職)をさせないと会社としては割に合わないという計算も働きます。さらに、女性活躍というのなら、それに見合う賃金を支払うべきでしょう。時給900円で主要な取引先の窓口担当になれといったって、なってくれません」

 もちろん、どんな職に就くかは働く本人が選ぶこと。ひとつ言えるのは、経営者が安い労働力だけを求めていては、日本の生産性は一向に上がらないということだ。 

 =つづく

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